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経路積分から見えるベリー接続と量子計量テンソル
Table of Contents
命題
速い自由度を経路積分で除去すると、遅いパラメータ $\mathbf R(t)$ に対する有効ラグランジアンがの形で現れることを示す。
1. 系の定義と経路積分
量子系を「速い自由度」(電子など、)と「遅いパラメータ」(原子核位置や外部場、)に分ける。
全作用は
分配関数(経路積分)は
2. 瞬時固有状態展開
- 瞬時ハミルトニアン:
- 全状態を固有基底で展開:
- 作用に代入すると、 ただし
3. 断熱展開と Berry 接続
基底状態 以外の係数 は非断熱遷移で小さく、
これをガウス積分で消去すると、基底状態のみの有効ラグランジアンが得られる。
Berry 接続項
4. 量子計量テンソルの導出
- 励起状態の寄与は
- 定義 これが 補正の元。
- 完全性と non-adiabatic coupling で書き直すと
- 量子計量テンソルの定義
量子計量テンソル項
5. 最終形
以上をまとめると、
- :断熱ポテンシャル
- :Berry 接続(位相項)
- :量子計量テンソル(慣性補正項)
量子計量テンソルと経路積分が結びつくのが面白いですね