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ガりス過皋による回垰曲線の導出

Table of Contents

1 ガりス過皋回垰

1.1 問題のモデル化

ガりス過皋を甚いお回垰曲線を求める方法を勉匷したのでたずめたす。

ガりス過皋回垰問題

入力デヌタx=x1,⋯ ,xnx=x_{1},\cdots,x_{n} が䞎えられたずする。

各入力デヌタに察する芳枬倀をそれぞれ z^=z^1,⋅⋅⋅,z^n\hat{z}=\hat{z}_{1},\cdot\cdot\cdot,\hat{z}_{n} ず芳枬した条件䞋で、新たな入力デヌタ x∗x_{*} に察する z(x∗)z(x_{*}) の条件付き確率分垃 p(u∣z^)p(u|\hat{z}) を予想できるだろうか。

ハットなしのzzは確率倉数で、ハットありのz^\hat{z}は定ベクトルです。確率倉数の時点ではその倀がいく぀か決たっおいたせんが、枬定しお倀が確定するず、その倀は定ベクトルになりたす。

この問題をもっず正確に定匏化しおみたしょう。芳枬倀が

z=y+ϵ,y=y(x),ϵ∌N(0,β−1I)z=y+\epsilon, y=y(x), \epsilon\sim\mathcal{N}(0,\beta^{-1}I)

のように衚せるこずを仮定したす。぀たり、本質ずなる回垰曲線 y=y(x)y=y(x) があっお、そこからのずれはガりス分垃に埓うずいうモデルを考えおいるわけです。自然な誀差を衚珟するのにガりス分垃は有甚なのですね。

さお、䞎えられたデヌタセット (x1,z^1),⋅⋅⋅,(xn,z^n)(x_{1},\hat{z}_{1}),\cdot\cdot\cdot,(x_{n},\hat{z}_{n}) の情報から回垰曲線 y=y(x)y = y(x) を導出したいわけですが、これだけしかない情報から元の回垰曲線を求めるのは非垞に困難です。そこで、yyもガりス分垃に埓っおしたうずいう非垞に倧胆な仮定をしおしたうんです。

この仮定が非垞にクリティカルです。なぜなら、ガりス分垃ずガりス分垃の和は、ガりス分垃に埓うずいう性質があるから、zzもたたガりス分垃に埓うからです。さらにこの仮定に加えお、回垰曲線がデヌタセット (x1,z^1),⋅⋅⋅,(xn,z^n)(x_{1},\hat{z}_{1}),\cdot\cdot\cdot,(x_{n},\hat{z}_{n}) を通過するずいう条件のもず条件付き確率を蚈算したす。するず、なんず䞍思議なこずに回垰曲線に盞圓するものが魔法のように導出されおしたうのです。この点がガりス過皋回垰のずんでもなく面癜い点になりたす。


ガりス過皋回垰問題のモデル化

入力デヌタ x∈Rx\in\mathbb{R} に察する出力デヌタを以䞋のようにモデル化する。

  1. 芳枬倀は、回垰曲線 y(x)y(x) ず誀差の和で衚珟される。 z=y+ϵz=y+\epsilon, y=y(x)y=y(x), ϵ∌N(0,β−1I)\epsilon\sim N(0,\beta^{-1}I)
  2. y(x)y(x) はある関数の線型結合で衚珟できる。 y(x)=∑l=1nwlϕl(x)=w⋅ϕ(x)y(x)=\sum_{l=1}^{n}w_{l}\phi_{l}(x)=w\cdot\phi(x)
  3. yy もたたガりス分垃に埓うず仮定する。 y∌N(∗,∗)y\sim\mathcal{N}(*,*)

1.2 カヌネル関数を甚いお

ガりス過皋による回垰をするにはカヌネル関数 k(x,y)k(x,y) が必芁です。カヌネル内積を扱った章ず同様に、以䞋のようなベクトル空間(=再生栞ヒルベルト空間)を考えおみたしょう。

再生栞ヒルベルト空間

再生栞ヒルベルト空間 Hk\mathcal{H}_{k} を以䞋のように導入する。

(1): カヌネル関数 k(x,y)k(x,y) を䞎え、䞎えられたデヌタ x1,⋅⋅⋅,xnx_{1},\cdot\cdot\cdot,x_{n} に察しお、

k(x,xi)≡kxi(x)k(x,x_{i})\equiv k_{x_{i}}(x)

ず定矩し、適宜 kxik_{x_{i}} ず略蚘する。これらの関数がなす線型結合

c⋅kx=c1kx1(x)+⋅⋅⋅+cnkxn(x)∈Hkc\cdot k_{x}=c_{1}k_{x_{1}}(x)+\cdot\cdot\cdot+c_{n}k_{x_{n}}(x)\in\mathcal{H}_{k}

で構成されるベクトル空間を Hk\mathcal{H}_{k} ずする。この空間に内積 ⟹⋅,⋅⟩k\langle\cdot,\cdot\rangle_{k} を

⟹c⋅kx,d⋅kx⟩k=∑i,j=1ncidjk(xi,xj)\langle c\cdot k_{x},d\cdot k_{x}\rangle_{k}=\sum_{i,j=1}^{n}c_{i}d_{j}k(x_{i},x_{j})

のように導入する。カヌネル関数の性質より、この内積は内積の公理を満たす。

(2): 内積の定矩の仕方より、 f(x)∈Hkf(x)\in\mathcal{H}_{k} に察しお

  1. k(xi,xj)=⟹kxi,kxj⟩kk(x_{i},x_{j})=\langle k_{x_{i}},k_{x_{j}}\rangle_{k}

  2. f(xi)=⟹f,kxj⟩kf(x_{i})=\langle f,k_{x_{j}}\rangle_{k}

が成り立぀こずに泚意する。このベクトル空間(を完備化した) ものを再生栞ヒルベルト空間ずいう。

本圓は代入写像が連続なヒルベルト空間のこずを再生栞ヒルベルト空間ず定矩するのですが、ムヌア・アロンシャむンの定理ずリヌスの衚珟定理より、これらは同倀になりたす。

kx1,⋅⋅⋅,kxnk_{x_{1}},\cdot\cdot\cdot,k_{x_{n}} をグラムシュミット盎亀化した基底関数を ϕ1(x),⋅⋅⋅,ϕn(x)\phi_{1}(x),\cdot\cdot\cdot,\phi_{n}(x) ずしたす。この時以䞋の重芁な匏を蚌明できたす。

k(x,y)=∑l=1nϕl(x)ϕl(y)k(x,y)=\sum_{l=1}^{n}\phi_{l}(x)\phi_{l}(y)

蚌明は以䞋の通りです。

k(x,y)=⟹kx,ky⟩Hk=⟹∑l=1n⟹kx,ϕl⟩kϕl,∑m=1n⟹ky,ϕm⟩kϕm⟩k=∑l=1n∑m=1n⟹kx,ϕl⟩k⟹ky,ϕm⟩k⟚ϕl,ϕm⟩k=∑l=1n∑m=1n⟹kx,ϕl⟩k⟹ky,ϕm⟩kÎŽlm=∑l=1n⟹kx,ϕl⟩k⟹ky,ϕl⟩k=∑l=1nϕl(x)ϕl(y)\begin{aligned} k(x,y) &= \langle k_{x},k_{y}\rangle_{\mathcal{H}_{k}} \\ &= \langle\sum_{l=1}^{n}\langle k_{x},\phi_{l}\rangle_{k}\phi_{l},\sum_{m=1}^{n}\langle k_{y},\phi_{m}\rangle_{k}\phi_{m}\rangle_{k} \\ &= \sum_{l=1}^{n}\sum_{m=1}^{n}\langle k_{x},\phi_{l}\rangle_{k}\langle k_{y},\phi_{m}\rangle_{k}\langle\phi_{l},\phi_{m}\rangle_{k} \\ &= \sum_{l=1}^{n}\sum_{m=1}^{n}\langle k_{x},\phi_{l}\rangle_{k}\langle k_{y},\phi_{m}\rangle_{k}\delta_{lm} \\ &= \sum_{l=1}^{n}\langle k_{x},\phi_{l}\rangle_{k}\langle k_{y},\phi_{l}\rangle_{k} \\ &= \sum_{l=1}^{n}\phi_{l}(x)\phi_{l}(y) \end{aligned}

この関数で回垰曲線 y(x)y(x) を

y(x)=w⋅ϕ(x)y(x)=w\cdot\phi(x)

のように衚珟したす。モデル化 (3) の仮定よりyy はガりス分垃に埓いたす。これを衚珟するために、w∌N(0,I)w\sim\mathcal{N}(0,I) を仮定したす。この時、yyもガりス分垃 N(0,ΊΊ⊀)\mathcal{N}(0,\Phi\Phi^{\top}) に埓いたす。

w∌N(0,I)  ⟹  y∌N(0,ΊΊ⊀)w\sim\mathcal{N}(0,I) \implies y\sim\mathcal{N}(0,\Phi\Phi^{\top})

ここでΊ\Phiは以䞋のような行列です。

Ί=(ϕ1(x1) ϕl(x1) ϕn(x1)⋮⋮⋮ϕ1(xi) ϕl(xi) ϕn(xi)⋮⋮⋮ϕ1(xn) ϕl(xn) ϕn(xn))\Phi = \begin{pmatrix} \phi_1(x_1) & \dots & \phi_l(x_1) & \dots & \phi_n(x_1) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ \phi_1(x_i) & \dots & \phi_l(x_i) & \dots & \phi_n(x_i) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ \phi_1(x_n) & \dots & \phi_l(x_n) & \dots & \phi_n(x_n) \end{pmatrix}

ΊΊ⊀\Phi\Phi^{\top}の意味は明確です。

ΊΊ⊀=(∑l=1nϕl(x1)ϕl(x1)
∑l=1nϕl(x1)ϕl(xj)
∑l=1nϕl(x1)ϕl(xn)⋮⋮⋮∑l=1nϕl(xi)ϕl(x1)
∑l=1nϕl(xi)ϕl(xj)
∑l=1nϕl(xi)ϕl(xn)⋮⋮⋮∑l=1nϕl(xn)ϕl(x1)
∑l=1nϕl(xn)ϕl(xj)
∑l=1nϕl(xn)ϕl(xn))\Phi\Phi^{\top} = \begin{pmatrix} \sum_{l=1}^n \phi_l(x_1)\phi_l(x_1) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_1)\phi_l(x_j) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_1)\phi_l(x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ \sum_{l=1}^n \phi_l(x_i)\phi_l(x_1) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_i)\phi_l(x_j) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_i)\phi_l(x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ \sum_{l=1}^n \phi_l(x_n)\phi_l(x_1) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_n)\phi_l(x_j) & \dots & \sum_{l=1}^n \phi_l(x_n)\phi_l(x_n) \end{pmatrix} =(k(x1,x1)
k(x1,xj)
k(x1,xn)⋮⋮⋮k(xi,x1)
k(xi,xj)
k(xi,xn)⋮⋮⋮k(xn,x1)
k(xn,xj)
k(xn,xn))=K= \begin{pmatrix} k(x_1,x_1) & \dots & k(x_1,x_j) & \dots & k(x_1,x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_i,x_1) & \dots & k(x_i,x_j) & \dots & k(x_i,x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_n,x_1) & \dots & k(x_n,x_j) & \dots & k(x_n,x_n) \end{pmatrix} = K

のように、各行列芁玠がカヌネル関数になりたす。これをもっお、K≡ΊΊ⊀K\equiv\Phi\Phi^{\top} ず曞くのが自然でしょう。

z=y+ϵz=y+\epsilon, y∌N(0,K)y\sim\mathcal{N}(0,K), ϵ∌N(0,β−1I)\epsilon \sim \mathcal{N}(0, \beta^{-1}I) であり、ガりス分垃の和はたたガりス分垃なので、この分垃が

z∌N(0,K+β−1I)z\sim\mathcal{N}(0,K+\beta^{-1}I)

のように求たりたす。このように、なんの枬定結果もなしの状況では、䞭心がれロのガりス分垃になりたす。


1.3 条件付き確率分垃

今回の問題の再喝をしたしょう。

ガりス過皋回垰問題

入力デヌタ x=x1,⋅⋅⋅,xnx=x_{1},\cdot\cdot\cdot,x_{n} が䞎えられたずする。

各入力デヌタに察する芳枬倀をそれぞれ z^=z^1,⋅⋅⋅,z^n\hat{z}=\hat{z}_{1},\cdot\cdot\cdot,\hat{z}_{n} ず芳枬した条件䞋で、新たな入力デヌタ x∗x_{*} に察する z(x∗)z(x_{*}) の条件付き確率分垃 p(u∣z^)p(u|\hat{z}) を予想できるだろうか。

新たな入力デヌタ x∗=xn+1,⋅⋅⋅,xn+mx_{*}=x_{n+1},\cdot\cdot\cdot,x_{n+m} が远加されたずしたしょう。この時 zall=z1,⋅⋅⋅,zn+mz_{all}=z_{1},\cdot\cdot\cdot,z_{n+m} の確率分垃は

zall∌N(0,Kn+m+β−1In+m)z_{all}\sim\mathcal{N}(0,K_{n+m}+\beta^{-1}I_{n+m})

ず衚されたす。ここで、

Kn=(k(x1,x1)
k(x1,xj)
k(x1,xn)⋮⋮⋮k(xi,x1)
k(xi,xj)
k(xi,xn)⋮⋮⋮k(xn,x1)
k(xn,xj)
k(xn,xn))K_n = \begin{pmatrix} k(x_1,x_1) & \dots & k(x_1,x_j) & \dots & k(x_1,x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_i,x_1) & \dots & k(x_i,x_j) & \dots & k(x_i,x_n) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_n,x_1) & \dots & k(x_n,x_j) & \dots & k(x_n,x_n) \end{pmatrix} Kn+m=(k(x1,x1)
k(x1,xj)
k(x1,xn+m)⋮⋮⋮k(xi,x1)
k(xi,xj)
k(xi,xn+m)⋮⋮⋮k(xn+m,x1)
k(xn+m,xj)
k(xn+m,xn+m))K_{n+m} = \begin{pmatrix} k(x_1,x_1) & \dots & k(x_1,x_j) & \dots & k(x_1,x_{n+m}) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_i,x_1) & \dots & k(x_i,x_j) & \dots & k(x_i,x_{n+m}) \\ \vdots & & \vdots & & \vdots \\ k(x_{n+m},x_1) & \dots & k(x_{n+m},x_j) & \dots & k(x_{n+m},x_{n+m}) \end{pmatrix}

ずしおいたす。入力デヌタ x=x1,⋅⋅⋅,xnx=x_{1},\cdot\cdot\cdot,x_{n} に察する芳枬倀がそれぞれ z^=z^1,⋅⋅⋅,z^n\hat{z} = \hat{z}_{1},\cdot\cdot\cdot,\hat{z}_{n} ず確定したずしお、z∗≡zn+1,⋅⋅⋅,zn+mz_{*}\equiv z_{n+1},\cdot\cdot\cdot,z_{n+m} の確率分垃を求めるこずはできるでしょうか?

非垞に面癜いこずに、倚倉量ガりス分垃の䞀郚の倉数が定たった条件での条件付き確率分垃は、たたガりス分垃になりたす。この分垃は分散によっお信頌区間を䞎えるこずができるので、「z∗z_{*} の倀が○○~○○に入る確率が95%だよ」ずいう圢の掚定をするこずができたす!

いざ、条件付き確率を求めたしょう。条件なしの確率分垃は

zall∌N(0,Kn+m+β−1In+m)z_{all}\sim\mathcal{N}(0,K_{n+m}+\beta^{-1}I_{n+m})

⇔p(zall)=γexp⁡(−12⟹(Kn+m+β−1I)−1(zz∗),(zz∗)⟩)\Leftrightarrow p(z_{all})=\gamma \exp(-\frac{1}{2}\langle(K_{n+m}+\beta^{-1}I)^{-1}\begin{pmatrix}z\\ z_{*}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}z\\ z_{*}\end{pmatrix}\rangle)

ずなりたす。γ\gammaは正芏化定数ですが、今回の議論では党く関係ないのでスルヌしたす。以降の議論でも正芏化定数は党く䜿甚したせん。枬定により z=z^z=\hat{z} が定たっおいる条件䞋での条件付き確率分垃は

p(z∗∣z^)=γexp⁡(−12⟹(Kn+m+β−1I)−1(z^z∗),(z^z∗)⟩)p(z_{*}|\hat{z})=\gamma \exp(-\frac{1}{2}\langle(K_{n+m}+\beta^{-1}I)^{-1}\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix}\rangle)

で䞎えられたす。指数関数の䞭身を平方完成するこずを目論みたす。

Kn+m+β−1I=(Kn+β−1Inkk⊀Km+β−1Im)K_{n+m}+\beta^{-1}I=\begin{pmatrix}K_{n}+\beta^{-1}I_{n}&k\\ k^{\top}&K_{m}+\beta^{-1}I_{m}\end{pmatrix}

ずブロックに分けたす。ここで、

Km=(k(xn+1,xn+1)
k(xn+1,xn+m)⋮⋮k(xn+m,xn+1)
k(xn+m,xn+m))K_{m}=\begin{pmatrix}k(x_{n+1},x_{n+1})&\dots&k(x_{n+1},x_{n+m})\\ \vdots&&\vdots\\ k(x_{n+m},x_{n+1})&\dots&k(x_{n+m},x_{n+m})\end{pmatrix}

k=k(x,x∗)=(k(x1,xn+1)
k(x1,xn+m)⋮⋮k(xn,xn+1)
k(xn,xn+m))k=k(x,x_{*})=\begin{pmatrix}k(x_{1},x_{n+1})&\dots&k(x_{1},x_{n+m})\\ \vdots&&\vdots\\ k(x_{n},x_{n+1})&\dots&k(x_{n},x_{n+m})\end{pmatrix}

ず簡略化した。たた、

(Kn+m+β−1I)−1=(L11L12L21L22)(K_{n+m}+\beta^{-1}I)^{-1}=\begin{pmatrix}L_{11}&L_{12}\\ L_{21}&L_{22}\end{pmatrix}

ずしたす。元の行列が察称行列なので、L12⊀=L21L_{12}^{\top}=L_{21}。指数関数の䞭身は

⟹(L11L12L21L22)(z^z∗),(z^z∗)⟩=⟹L11z^,z^⟩+2⟹L12z∗,z^⟩+⟹L22z∗,z∗⟩\langle\begin{pmatrix}L_{11}&L_{12}\\ L_{21}&L_{22}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix}\rangle=\langle L_{11}\hat{z},\hat{z}\rangle+2\langle L_{12}z_{*},\hat{z}\rangle+\langle L_{22}z_{*},z_{*}\rangle

ず衚せたす。 z∗z_{*} に぀いお平方完成するために、

⟹L11z^,z^⟩+2⟹L12z∗,z^⟩+⟹L22z∗,z∗⟩=⟹L11z^,z^⟩+⟹L22(z∗−a),(z∗−a)⟩−⟚L22a,a⟩\langle L_{11}\hat{z},\hat{z}\rangle+2\langle L_{12}z_{*},\hat{z}\rangle+\langle L_{22}z_{*},z_{*}\rangle = \langle L_{11}\hat{z},\hat{z}\rangle+\langle L_{22}(z_{*}-a),(z_{*}-a)\rangle-\langle L_{22}a,a\rangle

ずなるようなaaを求めたす。aaに課せられる条件は、

⟹L12z∗,z^⟩=−⟹L22z∗,a⟩\langle L_{12}z_{*},\hat{z}\rangle=-\langle L_{22}z_{*},a\rangle

なので、これを満たすには

a=−L22−1L12⊀z^=−L22−1L21z^a=-L_{22}^{-1}L_{12}^{\top}\hat{z}=-L_{22}^{-1}L_{21}\hat{z}

ずすれば良いこずが簡単な蚈算でわかりたす。あずは行列 L11,⋅⋅⋅,L22L_{11},\cdot\cdot\cdot,L_{22} をそれぞれ蚈算しお、aaの衚匏に代入するず、

a=k⊀(Kn+β−1In)−1z^a=k^{\top}(K_{n}+\beta^{-1}I_{n})^{-1}\hat{z}

さらに、 (Kn+β−1In)−1z^=(c1,⋅⋅⋅,cn)⊀(K_{n}+\beta^{-1}I_{n})^{-1}\hat{z}=(c_{1},\cdot\cdot\cdot,c_{n})^{\top} ずおけば、

a=(k(x1,xn+1)
k(xn,xn+1)⋮⋮k(x1,xn+m)
k(xn,xn+m))(c1⋮cn)=(∑j=1ncjk(xj,xn+1)⋮∑j=1ncjk(xj,xn+m))a=\begin{pmatrix} k(x_{1},x_{n+1})&\dots&k(x_{n},x_{n+1})\\ \vdots&&\vdots\\ k(x_{1},x_{n+m})&\dots&k(x_{n},x_{n+m}) \end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1 \\ \vdots \\ c_n \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \sum_{j=1}^{n}c_{j}k(x_{j},x_{n+1})\\ \vdots\\ \sum_{j=1}^{n}c_{j}k(x_{j},x_{n+m}) \end{pmatrix}

ずいうふうに簡略化しお曞くこずができたす。

⟹(Kn+m+β−1I)−1(z^z∗),(z^z∗)⟩=⟹L11z^,z^⟩+⟹L22(z∗−a),(z∗−a)⟩−⟚L22a,a⟩\langle(K_{n+m}+\beta^{-1}I)^{-1}\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}\hat{z}\\ z_{*}\end{pmatrix}\rangle=\langle L_{11}\hat{z},\hat{z}\rangle+\langle L_{22}(z_{*}-a),(z_{*}-a)\rangle-\langle L_{22}a,a\rangle

ずなり、z∗z_{*} の関数ずしお先ほどの条件付き確率を蚈算するず、

p(z∗∣z^)=γ′exp⁡(−12⟹L22(z∗−a),(z∗−a)⟩)p(z_{*}|\hat{z}) = \gamma' \exp(-\frac{1}{2}\langle L_{22}(z_{*}-a),(z_{*}-a)\rangle)

が導かれたす。たずめたしょう。以䞋の匏を再喝したす。

Kn+m+β−1I=(Kn+β−1Inkk⊀Km+β−1Im)K_{n+m}+\beta^{-1}I=\begin{pmatrix}K_{n}+\beta^{-1}I_{n}&k\\ k^{\top}&K_{m}+\beta^{-1}I_{m}\end{pmatrix}

(Kn+m+β−1I)−1=(L11L12L21L22)(K_{n+m}+\beta^{-1}I)^{-1}=\begin{pmatrix}L_{11}&L_{12}\\ L_{21}&L_{22}\end{pmatrix}


条件付き確率の最終結果

ガりス過皋回垰問題の解答たる条件付き確率分垃は、以䞋のように平均aa、共分散行列 L22−1L_{22}^{-1} であるガりス分垃に埓う。

p(z∗∣z^)=γ′exp⁡(−12⟹L22(z∗−a),(z∗−a)⟩)p(z_{*}|\hat{z})=\gamma'\exp(-\frac{1}{2}\langle L_{22}(z_{*}-a),(z_{*}-a)\rangle)

ここで、平均ず分散のそれぞれの匏を明瀺するず、

平均: ÎŒ(x∗)=k⊀(Kn+β−1In)−1z^\mu(x_{*})=k^{\top}(K_{n}+\beta^{-1}I_{n})^{-1}\hat{z}

共分散: Σ(x∗)=Km+β−1Im−k⊀(Kn+β−1In)−1k\Sigma(x_{*})=K_{m}+\beta^{-1}I_{m}-k^{\top}(K_{n}+\beta^{-1}I_{n})^{-1}k

䞊の匏により、新芏デヌタ x∗x_{*} に察する平均ず分散がそれぞれプロットできたす。このように、y=y(x)y=y(x) がガりス分垃に埓うずいう仮定のもずでは、デヌタに察する条件付き確率分垃がガりス分垃になり、回垰曲線に察応するものがガりス過皋の平均倀の圢で導出されるこずになりたす。

GPR